【目良浩一の米西海岸リポート(2)】 慰安婦問題に関する日韓合意後、米国で対日批判は激化 日系人コミュニティーへの圧力も… / 産経ニュース2016.7.2

当会の目良浩一代表のレポートが産経ニュースに掲載されました。ご紹介します。

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産経ニュース 平成28年(2016年)7月2日
【目良浩一の米西海岸リポート(2)】
慰安婦問題に関する日韓合意後、米国で対日批判は激化 日系人コミュニティーへの圧力も…
http://www.sankei.com/premium/news/160702/prm1607020004-n1.html

■ 日韓合意後の米国における慰安婦旋風は…

昨年12月に、日韓両政府は慰安婦問題について合意しました。合意は、両政府が慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決し、お互いを国連などの場で非難・批判をしないこと、日本政府は元慰安婦の苦痛を癒すために約10億円を韓国が設置する財団に拠出するとの内容です。

日本の多くの人はこの合意によって、慰安婦問題は解決したと感じているようですが、それは間違いです。米国では慰安婦問題を通じた対日批判は激化しています。例えばカリフォルニア州で慰安婦像の設置を推進する「カリフォルニア州韓国系米国人フォーラム」(KAFC)はホームページに堂々と、自分たちは韓国政府と関係がないので今までの運動を継続すると公言しています。

米国務省は日韓合意を歓迎し、民間にも合意を尊重するように訴えていますが、それを強制する手段を持っていません。つまり、合意は単なる“希望条項”なのです。

韓国内では元慰安婦らが韓国政府は自分たちに相談せずに日本政府と合意したとして、合意に反対を唱えています。それに呼応するように元慰安婦たちによる米国訪問は、日韓合意後、明らかに頻繁になっています。

今年2月には、複数人の元慰安婦が米東海岸の都市を訪問して、自分たちの「体験談」を発表しました。3月には、いわゆる“スター慰安婦”になった李容洙(イ・ヨンス)がカリフォルニア州上院を訪問し、人権問題に貢献したとして州上院から感謝の言葉をうけました。また、今まで慰安婦問題に関する活動がなかったテキサス州にある南メソジスト大学でも、4月に元慰安婦の「体験談」を聴く会がもたれました。

■ 日本総領事館は日本人女性の訴えを無視…

東海岸のニューヨーク市のビジネス街中心部では、毎日のように韓国系の人が慰安婦に関する日本政府の責任を追及するプラカードを掲げて、道行く人に訴えています。

一方、サンフランシスコ市では、中国系が中心となって市の公共施設内に慰安婦記念碑を設置する案が昨年浮上しました。日本人や日系人などの反対に関わらず、昨年9月には設置案が市議会で可決され、現在、記念碑の具体的な形状や碑文の文言が検討されている状況です。

サンフランシスコ市は、中国系の人たちの影響力が強大で、彼らの意向に反対するには相当の覚悟が必要です。それにもかかわらず、市議会では同市に居住する数名の日本人女性が反対の声を挙げました。

しかし、中国系の人たちの圧力に押され、さらには在サンフランシスコ日本総領事館にも無視されて非常に悔しい思いをしています。われわれの団体「歴史の真実を求める世界連合会」(GAHT)も女性たちを支援しましたが効果はありませんでした。

慰安婦記念碑と同時に動いているのが、カリフォルニア州の教育委員会が検討している公立高校の歴史・社会科学のカリキュラムで「性奴隷」として記述された「慰安婦」を人権侵害の代表的事例として追加する案件です。

この案件は、昨年11月に教育委員会で採択され、今年1月から2月に一般からの意見を聴取する期間が設けられました。GAHTも反対意見を提出し、高等学校の教師の経験のある米国人や退役軍人の方などに、反対意見を提出するように働きかけました。日本からも「なでしこアクション」を通じて、多くの反対メールが発信されました。ご丁寧にも、サンフランシスコ市議会はこの州の案件にも最近、賛成決議をし、州教育局の動きを支援している状態です。

■ 全米日系人博物館で慰安婦映画上映

このような状況の中、ロサンゼルスにある全米日系人博物館で「破られた沈黙」という元慰安婦のドキュメンタリー映画が4月27日に上映されました。

全米日系人博物館は第二次大戦勃発直後に、日本人と日系米国人が強制収容所に収監された経験を後世の人々に伝えるために建てたものです。日系人は博物館維持のために、毎年大々的な寄付をしています。日系人の浄財で建てられたものです。

映画は2000年に韓国人監督によって制作されました。歪曲された慰安婦の経験を描いた映画で、強烈な反日の道具です。こともあろうにこの映画は日系米国人の心のふるさとである全米日系人博物館で上映されたのです。

映画の上映は「アジア映画祭」の催しの一環でした。主催者が多数の映画を複数の上映施設に割り当てたので、全米日系人博物館は割り当てられた映画をそのまま上映することになったのかもしれませんが、その割り当ては意図的なものであった可能性が高いとみられています。また、全米日系人博物館側は、映画の内容を検討することもなく、上映を引き受けたのかもしれません。

GAHTは、映画の上映には問題があるとして、博物館館長に、慰安婦問題に関する事実を歪曲して、日本国を貶めるような映画を全米日系人博物館で上映することに強く反対し、上映を拒否するべきであるとの抗議の手紙を出しました。

残念ながら映画は上映されました。われわれの知る限りでは、当日の観客数は40人ほどで、グレンデール市の慰安婦像建立の立役者であるKAFCのフィリス・キム氏も来ていました。

■日系コミュニティへの圧力

ロサンゼルス周辺では、中国系や韓国系の人口増に伴い、日系人社会への圧力が増しています。全米日系人博物館のあるリトル・トウキョウにある店舗などの経営者が日本人から中国系、韓国系の人に代わってきています。中韓系は日本人店舗などの売却を推進するために意外な手段を使うこともあります。

例えば、連邦法で義務づけられている車椅子でのアクセスができないなどの理由をつけて立ち退き目的で訴え、売却させるのです。このような手段によって、日本人オーナーが低価格で物件を手放すケースがかなりあるようです。日本人・日系米国人はこのような脅しに馴れていない人が多くて、彼らの餌食になっているようです。

■ 目良浩一(めら・こういち) 1933年、日本統治下の朝鮮京城府(現ソウル市)生まれ。東京大学工学部卒、同大学院修了、米ハーバード大学で博士号取得。ハーバード大学助教授、筑波大学教授、南カリフォルニア大学教授などを歴任。米国在住。「歴史の真実を求める世界連合会」(GAHT)代表。米国慰安婦像撤去訴訟の原告の1人。共著に『マッカーサーの呪いから目覚めよ日本人!』(桜の花出版)。昨年6月には米国で「COMFORT WOMEN NOT ”SEX SLAVES”(慰安婦は性奴隷にあらず)」を出版した。