GAHTの-国連人権委員会参加の報告

2014年7月28日
GAHT-US代表 目良浩一

ジュネーブで国連の人権委員会の対日本検討会(6年に一度、前回は2008年)が開かれ、そこで慰安婦の問題が取り上げられるということで、「慰安婦の真実国民運動」のメンバー9名と共にアメリカからは、GAHT代表の私が出席することになった。訪問団の世話人の事前説明によると、国連人権委員会の委員たちは、日本の左系の人々によって情報を与えられ、日本批判の傾向が強いとのことであった。

我々は、7月11日にロサンジェルスを出発し、ミュンヘン経由で12日にジュネーブに入り、14日から始まる会議に備えた。国連が非効率的な、官僚的な機関であることは前から承知していたが、実際に会議に参加してみて、その認識をさらに強めざるを得なかった。初日は、二時間を費やし、翌日と翌々日に開かれる会議の事務手続きの説明と、それについての審議をしたのである。それは、まったくの時間の浪費であった。その後は、国連事務手続きに詳しい人たちだけの秘密会議であり、国連事務に通じている左系の人たちは、参加でき、新参の我々は退席させられた。なぜ退席させられたのか国連関係者に質問したところ、ある日時までに、登録することが必要であったと解説したのである。しかし、事前にそのような説明は受けていない。

15日には、12時から事前調整のNGOの会議が開かれたが、これは左系主催者NGOによって入場が制限され、プライベートミーティングだからと我々は排除された。3時から、日本を対象とした委員会が開かれた、これは国連に入場を許されたすべての者に開かれていた。前もって日本政府が提出した報告書について、委員が問題点を指摘するのである。日本政府は多数の省庁の担当者を送り、それに対して回答をする体制を整えていた。15日には数名の委員が問題点を指摘して、日本政府の回答が始まった。回答はその日には終了せず、16日に持ち越された。16日には、さらに別の委員が問題点を指摘し、日本政府委員が、さらに回答を陳述した。

問題点の多くは、現代の通常日本人では、問題にしないような類の提議であった。例えば、「日本では13歳以下の女子が性交をした場合には、たとえ本人の同意があっても強姦罪が成立するのであるが、女性の権利を保護するために、その年齢制限を引き上げよ」とするのである。更に、日本では、死刑が実施されているが、それは廃止すべきであるとし、韓国や中国人に対して、嫌がらせやヘイトスピーチがされているがそれは直ちに阻止されるべきであるとしている。しかしながら、そのような重箱の隅を穿るような事(何度かNGOの資料によるとという表現が出てきた)を延々と述べた挙句に、それらが起こってくる原因については、一切言及がなかったのである。日本社会の文化的伝統や民族の構成、移民の行動様式などを一切無視して、一律の国際基準を適合させようとしているのである。

今回の会議では、日本政府は大変良く自らの制度を説明し、防御した。特に注目すべきことは、15日の討議の席上、先ず、慰安婦について言及する前に、彼女らを「性奴隷」と呼ぶことは、適切でないと明言したことである。次いで、16日にそれを明言した日本政府代表の外務省人権人道課長、山中氏に対して、委員の一人である南アフリカ共和国のマジョディナ女史が、慰安婦はきわめて悲惨な状況に置かれていたのであるから、それらの女性たちは性奴隷であった。したがって、日本政府は、正式な謝罪をし、補償金を支払うべし、とする10分間のスピーチをした。日本政府代表の山中氏は、再び、慰安婦を性奴隷と呼ぶのは、適当ではないと繰り返した。そこで、マジョディナ女史は、それは1926年の奴隷条約における奴隷の定義に即した判断であるかと問いただした。日本政府代表の山中課長は、直ちに、そのとおりである。十分その定義に照らしての、判断決定であると断言した。このやり取りは、見事なものであった。

しかしながら、7月24日に発表された国連人権委員会の結論では、慰安婦は性奴隷であったと、繰り返され、日本政府は謝罪と補償を要求されることになった。いかに、左系のNGOが、彼らに影響力を振るっているかを示している。委員は、彼らから提供された資料を金科玉条とし、資料を自ら求めたり、自ら調査研究などをしていないようである。そのような人々が、委員として君臨しているのである。不幸中の幸いは、この委員会の提言が強制力を持たないことである。しかしながら、直接の強制力はないにせよ、そこに書かれたことが、日本に対する世界の意見を作ることに大きな影響力を持っているのである。1996年のクマラスワミの報告書が、2007年の米国の下院での日本に対しての非難決議につながったように、国連での意見が、世界に広がっていくのである。此の現実を放置しておくことはできない。

今回の国連人権委員会参加の成果は次の三つである。

1.国連が、いかに資源、人件費を浪費しているかが明らかになった。
2.さらに、左系が国連を最大限に利用して、自らの国を貶めるために日夜努力していることが如実に判明した。
3.最大なる成果は日本政府が、慰安婦は、性奴隷ではないと明言したこと。

今必要なことは、国連をいかにして、より建設的な方向に向けてゆくかである。そのためには、まず、日本人一般に広がっている「国連信仰」を打破すること。日本政府としては、国連の改革を要求し、改革が進まなければ、負担金支払いの一時停止をすることも辞さない態度で、真剣に要求するべきである。そして、人権委員会を左系の独占から解放しなければならない。ということは人権委員の大幅な変更である。

次に、慰安婦の件に関しては、政府が、慰安婦がどのようなものであったかを、さまざまな手段で、世界に訴えることである。それは、小冊子の配布、図書の出版、雑誌の論文、講演会の開催、テレビ番組、などの手段で、英語を含むさまざまな言語で、慰安婦の実態を伝えてゆくことが必要である。日本的曖昧さを排除して明言していかなければ世界には通じないのである。今まで20余年にわたって政府が明言しなかったことが、このような事態を引き起こしたのである。それを挽回するような大規模な世界的な宣伝戦を繰り広げてゆく必要がある。