国際連合教育科学文化機構(ユネスコ)世界記憶遺産 「慰安婦制度‐日本軍の規律」の登録、現状の報告

GAHT(歴史の真実を求める世界連合会)は、団体連合でユネスコの世界記憶遺産に慰安婦に関してその登録申請した団体連合の指導的なメンバーの一つです。

団体連合は日本軍の戦場での類まれな規律、高い倫理性が遺産として価値があるとして、申請しました。

一方で韓中日を中心とする9ヵ国14団体で構成された連合体は、残虐だった‐性奴隷であったと日本軍を糾弾する『慰安婦の声』を中心とした資料で申請しました。(2016年5月)

申請を受けたユネスコは、2017年10月に、両者が対話して共同申請をするようにとの勧告を出しました。

それから5年、その間にコロナ禍があって対話は遅々として進みませんでしたが、その収束と世界記憶遺産登録制度の改革が2021年4月に承認された事を受け、対話の為のユネスコ指名の司会者(ファシリテイター)を中心として、両申請団体間の準備作業は加速し、2021年3月には申請書類を交換し、現在対話の為の具体的な取極めを作成中です。

順調にいけば、今秋に遅くとも年内には両者の対話がパリのユネスコ本部で実現する見込みです。

その対話の為に派遣団を組み、少なくとも数度の対話が行われ、希望的な観測ですが、一年以内には「慰安婦制度‐日本軍の規律」が受理されるものと期待しております。

GAHTはこの派遣団に人と財政面で支援します。

では、今「慰安婦」で対立している世界記憶遺産について、先ず基本的な事を述べます:

1.ユネスコとは

ユネスコは国連の15の専門機関(Specialized Agencies)の一つです。

「正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長する為」に、教育・科学・文化を通じて平和及び安全に貢献する事を目的とします。

各組織が自律的な専門機関としては他に、世界銀行グループ、国際通貨基金、世界保健機関、万国郵便連合、国際電気通信連合(ITU)などがあり、国際間・世界規模での運営に貢献していると言えるでしょう。

ユネスコの目的はその憲章(The Constitution of UNESCO)で次の様に定めています:

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1 目的及び任務

  1. この機関の目的は、国際連合憲章が世界の諸人民に対して人種、性、言語又は宗教の差別なく確認している正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長するために教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによって、平和及び安全に貢献することである。

  2.この目的を実現するために、この機関は次のことを行う。

a 大衆通報(マス・コミュニケーション)のあらゆる方法を通じて諸国民が相互に知り且つ理解することを促進   

する仕事に協力すること並びにこの目的で言語及び表象による思想の自由な交流を促進するために必要な国際協定を勧告すること。

b 次のようにして一般の教育と、文化の普及とに新しい刺激を与えること。

      加盟国の要請によって教育事業の発展のためにその国と協力すること。

     人種、性又は経済的若しくは社会的な差別にかかわらない教育の機会均等の理想を進めるために、諸国民の間における協力の関係をつくること。

自由の責任に対して世界の児童を準備させるのに最も適した教育方法を示唆すること。

c 次のようにして知識を維持し、増進し、且つ、普及すること。

世界の遺産である図書、芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護を確保し、且つ、関係諸国民に対して必要な国際条約を勧告すること。

 教育、科学及び文化の分野で活動している人々の国際的交換並びに出版物、芸術的及び科学的に意義のある者その他の参考資料の交換を含む知的活動のすべての部門における諸国民の間の協力を奨励すること。

 いずれの国で作成された印刷物及び刊行物でもすべての国の人民が利用できるようにする国際協力の方法を発案すること。

 3.この機関の加盟国の文化及び教育制度の独立、統一性及び実りの多い多様性を維持するために、この機関は、加盟国の国内管轄権に本質的に属する事項に干渉することを禁止される。

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「教育・科学・文化を通じて世界の平和及び安全に貢献する」と謳っています。決して国際間の紛争を助長する機関ではないと宣言しています。

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2.ユネスコ世界記憶遺産「世界の記憶」について

世界的に重要な記録物のその重要性の認識と保存やアクセスを促進する為に、ユネスコが1992年に始めました。

加えて人類史での特に重要な記録物を国際的に登録する制度が1995年より実施され、「慰安婦」は国際的連合の2つの団体が全く正反対の見解で2016年に申請しました。

登録にかかる審査は2年に1回で、一ヶ国からの申請は2件以内だが国際的な登録には以前は制限がなかった。審査は国際諮問委員会(IAC)の勧告に基づき、ユネスコ執行委員会において決定される国際登録のほか、「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会(MOWCAP)等が決定する地域登録がある。

  1. 「世界の記憶」事業の目的

ユネスコは事業の目的を次のように定めている:

目的:「世界の記憶事業」のあるべき理想像は、世界の文書遺産は万人ものであり、万人の為に十分に保存・保護され、そして文化的な道徳規範と実用性を正しく認識して、万人が妨げられずに永遠に利用可能である事。

(参考英語原文)Objective:

The vision of the Memory of the World Programme is that the world’s documentary heritage belongs to all, should be fully preserved and protected for all and, with due recognition of cultural mores and practicalities, should be permanently accessible to all without hindrance.

(ユネスコHPより:https://en.unesco.org/programme/mow)

その目的は、残すに値する記録を世界万民の為に保護し、永久に利用可能にする事業、と言える。

4.「慰安婦」の申請団体

2016年5月に、2つの国際的な連合団体が「慰安婦」について申請しました:

申請団体 「日本軍の規律」派 「慰安婦の声」派
申請名 “慰安婦”と日本軍の規律 “慰安婦”の声アジア各地から強制的に徴用された性奴隷の慰安婦
ユネスコ受付番号 2016-76 2016-101
申請団体 概要 日米2ヵ国 4団体(日本3、米国1) 9ヵ国15団体(但し英国戦争博物館は連合体に不参加)韓国:6団体、中国:2、台湾:1、日本:1、蘭:1、フィリッピン:1、インドネシア:1、東チモール:1、英国1
日本申請団体 日本・慰安婦の真実国民運動

・メデイア政策研究所

・なでしこジャパン

米国

・日本再生研究会(GAHT別働団体)

5.ユネスコの勧告

ユネスコでは登録審査小委員会(RSC)の一次審査を経て審査結果を事務局長へ報告する国際諮問委員会(IAC)が、2017年10月に『慰安婦』に関しては申請があった両者の対話によって共同申請をする勧告が出されました。

その勧告文は以下です:

(日本語訳:細谷訳)

対話を待っての勧告を延期する申請案件

申請番号2016-76 日本・米国NGOの合同申請 「慰安婦と日本軍規律に関する書類」

  申請番号2016-101 共同推薦国際委員会申請 「日本軍慰安婦の声」

IAC(国際諮問委員会)は20171016日付けユネスコ理事会の決定に従い、ユネスコが推薦番号101号「慰安婦の声」と76号「慰安婦と日本軍規律に関する書類」の推薦者と関係する当事者間の話し合いを促す事を事務局長に勧告する。

IACは又関係する出来るだけ全ての文書が共同申請の中に含まれるようにする観点で、この話し合いの為にそれ等特定・限定された当事者が都合の良い時間と場所を設定する事を勧告する。

Recommended for postponement pending dialogue

2016-76 Individual Japan-United States of America (NGO’s)  ‘Documentation on “Comfort Women” and Japanese Army discipline’

2016-101 International Committee for Joint Nomination of the Documents on Japanese Military ‘Comfort Women’ Voices of the ‘Comfort Women’

The International Advisory Committee of the Memory of the World Programme, following the decision of the Executive Board of UNESCO in its meeting on 16 October 2017 (202 EX/PX/DR 15.8, item 15), recommends to the Director-General that UNESCO facilitates a dialogue among the nominators of the nominations No. 101 “Voices of the ‘Comfort Women’” and No. 76 Documentation on ‘Comfort Women’ and Japanese Army discipline” and concerned parties. The IAC also recommends setting a place and time convenient to the parties for this dialogue, with a view to leading to a joint nomination to encompass as far as possible all relevant documents

6.二つの申請者間の対話

両者の対話は、ユネスコが対話司会者として2018年5月にアーシア・セレス博士(男性、カナダ人Anthea Seles)の指名で始り、同氏が2019年5月に辞任し、同年6月より現在までカナダ人大学教授のイングリッド・パレント女史・博士が取り持ち、2021年3月には両者は申請書類の交換を行いました。先方の申請書類には慰安婦が奴隷であった事を示すものは見当たりませんでした。対話で確認する点です。

現在、対話の形式、使用言語、議事録、代表者の確認方法等で、意見の交換をして決着を目指してます。

7.今後の見通し

対話の方法は固まりつつあり、対話は早ければ夏休み明けにも始まる見通しです。

何れにせよ年内には最初の対面での対話が、パリのユネスコ本部で行われるでしょう。

8.時系列での纏め

年月

出来事

2016年   5月 申請書提出
2017年10月 ユネスコIAC対話を勧告
2118年   5月 対話司会者にアーシア・セレス博士が任命
2019年   6月 対話司会者がイングリッド・パレント博士に交代
2021年   3月 申請書を交換
    4月 登録が変更される。国の承認制へ制度改革
2022年6月 対話の形式を協議中
(2022年10月) (第一回対話実現?)

(以上)

gahtjp-admin について

日米に拠点を置くNPO法人、 国連での特別協議資格を保持 歴史の真実を世界に求め、世界に発信し、史実の誤解によって起こる国際紛争の解決を訴える

国際連合教育科学文化機構(ユネスコ)世界記憶遺産 「慰安婦制度‐日本軍の規律」の登録、現状の報告」への1件のフィードバック

  1. 戦中派の私は苦難の日々を過ごしましたが、日本の兵隊さんの規律正しい教練を見て、国際連合教育科学文化機構(ユネスコ)の世界記憶遺産の登録に極めて相応しい真実であると信じます。

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