カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)におけるケイ氏とダディン女史の講演
GAHT-US代表
目良 浩一
2016年5月12日に、国連の特別報告官に指名されて、日本における「報道の自由」の状況を調査した法学部のデイビッド・ケイ氏(彼は実務経験によって教授なったのでクリニカル教授という資格を持つ)とコネッチカット大学のアレックス・ダディン教授による日本についての発表会があることをなでしこアクションからの通知で知った。最近、日本の報道について深刻な批判を発表した国連特別報告官と、日本について極めて厳しい発言をしている歴史学者との組み合わせであったので、大変興味を持って出席した。
比較的新しいが、ゆったりとした広大なUCIキャンパスの建物の一つの会議室に机がロの字型に並べられ、20名くらいの参加者がいた。大学院の学生が数名の他は、他大学、他学部からの先生方であると思われた。発表はダディン教授の「特定秘密保護法」が、市民の知る権利を侵すものであるという主張から始まった。それに応じて、ケイ氏は、最近の高市大臣の放送法を適用して、「メディアを制裁することもある」という声明が、報道の自由を束縛するものであるという主張を展開した。この国連特別報告官は、日本にわずか一週間の滞在にも拘らず、あたかも日本のメディアの状況を熟知している如く、上記のような批判を下したのである。ダディン氏は、2014年に発効した「特定秘密保護法」が、特定の政府内の秘密を守るべき公務員にだけ適用されるにもかかわらず、それが日本の政府の意思によって情報が抑圧されるとして、問題にしていた。
私は、ケイ氏に、日本におけるメディアの実際の偏向状況を知っているかと尋ねた。また、日本で面会した人のリストを公開できるかと尋ねた。更に、日本では報道機関の外国人・外国籍組織による所有について、アメリカのように制限がないことを指摘したが、いずれについても満足な回答は得られなかった。
この二人に共通することは、安倍政権によって、日本では報道の自由が抑圧されて、それによって日本は危険な道を歩むことになっていると強調し、自由民主党政権の打倒を狙っている者に協力しているのである。因みに、ケイ氏は、学術的には実績に乏しいが、国務省の実務経験から教職に入った法科大学院卒業生で、中国で教職に就いた経験がある。したがって、この講演会は、国連とある隣国が計画した安倍政権打倒策の一環とみることは、穿ち過ぎであろうか。
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『ケイ氏とダディン女史の講演』