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日米に拠点を置くNPO法人、 国連での特別協議資格を保持 歴史の真実を世界に求め、世界に発信し、史実の誤解によって起こる国際紛争の解決を訴える

カルフォルニア州 第9連邦高等裁判所 控訴審 開始[2016年6月7日]

2016年6月7日に、カリフォルニア州パサデナ市にある第9連邦高等裁判所のパサデナ支所でグレンデール市に対する慰安婦像撤去裁判の控訴審が開かれました。

前回の連邦裁判所の第一審では、法廷を開くことも無いままに、敗訴になりましたので、連邦裁判所で、開廷されたのは初めてのことです。
原告側からは、Ronald Barak 氏が陳述しました。被告側からはChristopher Munsey でした。

動画で法廷での陳述、応答のすべてが視聴できます。

14-56440 Michiko Gingery v. City of Glendale

今回は判決は出ませんでした。3人の判事が協議して、判決を出すことになります。

今回の公判の状況から、以下のことが言えると考えられます。

判事は、両方の弁護士に厳しい質問を浴びせました。回数としては、Munsey 氏の方により多くの質問がなされました。質問は、反対意見を持っているから質問をする場合もありますが、より良い答えを引き出すためのものもあります。したがって、その数だけからどちらが有利であるかは言えません。

しかし、第一審でのAnderson 判事が見せたような、我々に対する敵対意識は見られませんでした。

高等裁判所の判事は、下級裁判所の判事とは、明らかに違うようです。

3人の判事のうち、中央のReinhart 氏は、同様の案件に多く携わった人で、内容の理解の程度が高いようです。
左の女性判事、Wardlaw 氏も経験の深い判事です。右側のKorman 氏は、New York から派遣された客員判事で、高等裁判所には所属していません。

本日の公判で明らかになったことは、グレンデール側の反論にかなりの問題点があることが判事に認識されたことだと思います。判決は、いつどのような形で発表されるかは、不明ですが、第一審に差し戻しの可能性がかなりあると思われます。

2016年6月7日

GAHT-US
代表 目良 浩一

【動画】創設二周年記念 活動報告会 東京

GAHT(歴史の真実を求める世界連合会)創設二周年記念 活動報告会 東京
5月23日(月)参議院議員会館
「海外における歴史戦は今」

【登壇者】 (アイウエオ順)
藤井厳喜  日本ケンブリッジ・フォーキャスト代表取締役
藤岡信勝  拓殖大学客員教授
細谷清   近現代史研究家
目良浩一  歴史の真実を求める世界連合会 代表 他

司会 大高未貴  ジャーナリスト
来賓  日本の心を大切にする党 元衆議院議員 中山成彬 先生

ラジオつくば「KGプロジェクト」に目良代表出演

目良浩一代表がラジオつくばの番組KGプロジェクトに出演しました。

こちらから視聴できます。

2016年5月31日放送KGプロジェクト放送データ(ゲスト:歴史の真実を求める世界連合会 代表 目良浩一)
https://www.mixcloud.com/kennysuzuki18/kg-project20160531/

KGプロジェクトは当会の藤井厳喜(国際政治学者)が、毎週火曜22時から放送している番組です。毎回1時間、結構、真面目な社会問題、政治問題、経済問題を、リラックスした分かりやすい雰囲気で取り上げています。

目良浩一、アメリカ訴訟社会での慰安婦像闘争!!

【日いづる国より】
目良浩一、アメリカ訴訟社会での慰安婦像闘争!!
[桜H28/5/20]

5月20日(金)、チャンネル桜の番組【日いづる国より】のインタビューをご覧ください。

日本の伝統と文化を尊重し、真に国益を考える数多くの志士達が、自らが国政に臨むこと­で日本再生に懸けようと奮起している。その志と問題提起を、じっくりとお聞きしていく­対談番組。偉大な作曲家にして真の愛国者・すぎやまこういちによるプロデュースでお送­りします。

聞き手:中山恭子(参議院議員・日本のこころを大切にする党代表)
ゲスト:目良浩一(歴史の真実を求める世界連合会代表)

◆歴史の真実を求める世界連合会
 https://gahtjp.org/

※チャンネル桜では、自由且つ独立不羈の放送を守るため、『日本文化チャンネル桜二千­人委員会』の会員を募集しております。以下のページでご案内申し上げておりますので、­全国草莽の皆様のご理解、ご協力を、何卒宜しくお願い申し上げます。
http://www.ch-sakura.jp/579.html
◆チャンネル桜公式HP
http://www.ch-sakura.jp/

ニュースレター 活動報告第2号

私どもの活動をご理解いただくためのニュースレター「活動通信」の第2号を発行いたしましたので、ご案内いたします。
これからも私どもの活動をご理解いただき、より一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。

創刊第二号PDFダウンロード:ニュースレター第2号

ニュースレター2号

ご質問、お問い合せは、下記まで。

特定非営利活動法人
歴史の真実を求める世界連合会
〒105-6027
東京都港区虎ノ門 4-3-1 城山トラストタワー27階
電話:03-5403-3512
ファックス:050-3153-0391

GAHT-US CORPORATION
1223 Wilshire Blvd, #613 Santa Monica, CA 90403
E-メール:info@gahtusa.org
電話:310-819-8781

ウェブからのお問い合せは、お問い合せフォームをご利用ください。

『ケイ氏とダディン女史の講演』

カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)におけるケイ氏とダディン女史の講演

GAHT-US代表  
目良 浩一

2016年5月12日に、国連の特別報告官に指名されて、日本における「報道の自由」の状況を調査した法学部のデイビッド・ケイ氏(彼は実務経験によって教授なったのでクリニカル教授という資格を持つ)とコネッチカット大学のアレックス・ダディン教授による日本についての発表会があることをなでしこアクションからの通知で知った。最近、日本の報道について深刻な批判を発表した国連特別報告官と、日本について極めて厳しい発言をしている歴史学者との組み合わせであったので、大変興味を持って出席した。

比較的新しいが、ゆったりとした広大なUCIキャンパスの建物の一つの会議室に机がロの字型に並べられ、20名くらいの参加者がいた。大学院の学生が数名の他は、他大学、他学部からの先生方であると思われた。発表はダディン教授の「特定秘密保護法」が、市民の知る権利を侵すものであるという主張から始まった。それに応じて、ケイ氏は、最近の高市大臣の放送法を適用して、「メディアを制裁することもある」という声明が、報道の自由を束縛するものであるという主張を展開した。この国連特別報告官は、日本にわずか一週間の滞在にも拘らず、あたかも日本のメディアの状況を熟知している如く、上記のような批判を下したのである。ダディン氏は、2014年に発効した「特定秘密保護法」が、特定の政府内の秘密を守るべき公務員にだけ適用されるにもかかわらず、それが日本の政府の意思によって情報が抑圧されるとして、問題にしていた。

私は、ケイ氏に、日本におけるメディアの実際の偏向状況を知っているかと尋ねた。また、日本で面会した人のリストを公開できるかと尋ねた。更に、日本では報道機関の外国人・外国籍組織による所有について、アメリカのように制限がないことを指摘したが、いずれについても満足な回答は得られなかった。

この二人に共通することは、安倍政権によって、日本では報道の自由が抑圧されて、それによって日本は危険な道を歩むことになっていると強調し、自由民主党政権の打倒を狙っている者に協力しているのである。因みに、ケイ氏は、学術的には実績に乏しいが、国務省の実務経験から教職に入った法科大学院卒業生で、中国で教職に就いた経験がある。したがって、この講演会は、国連とある隣国が計画した安倍政権打倒策の一環とみることは、穿ち過ぎであろうか。

PDFでのダウンロードは下記のリンク先をご利用ください。
『ケイ氏とダディン女史の講演』

歴史問題研究会 ~海外における歴史戦は今~

歴史問題研究会 ~海外における歴史戦は今~
GAHT創設二周年活動報告

【日時】
平成28年(2016年)5月23日(月)
開場17:30   開会18:00  閉会19:30

【場所】
参議院議員会館 101会議室
東京都千代田区永田町2-1-1
東京メトロ永田町駅で、一番出口

【登壇者】 (アイウエオ順)
藤井厳喜  日本ケンブリッジ・フォーキャスト代表取締役
藤岡信勝  拓殖大学客員教授
細谷清   近現代史研究家
目良浩一  歴史の真実を求める世界連合会 代表 他
司会 大高未貴  ジャーナリスト
来賓  日本の心を大切にする党代表 参議院議員 中山恭子先生

※申し込み不要 直接会場にお越しください
※参加費無料
※参議院会館玄関口で通行証をお渡しします
※※「歴史問題研究会」と電光掲示板案内に表示されます

東京版flyer

GAHT 創設二周年記念 活動報告会 in 大阪

『歴史の真実を求める世界連合会』 GAHT 創設二周年記念 活動報告会 in 大阪

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日韓合意で新しい局面を迎えた慰安婦問題
グレンデール慰安婦像撤去裁判の行方は?

日時:
平成28年5月19日(木)18時半より(開場18時)

会場:
AP大阪梅田茶屋町 会議室A
ABC-MART梅田ビル8F (Tel:06-6374-1109)
大阪市北区茶屋町1-27

内容:
GAHTの活動報告 / 国連に対する働きかけ/ 日韓合意の影響/ 今後の活動方針 / 質疑・応答・提言
 
登壇者:
  杉田水脈 前衆議院議員・ジャーナリスト
  目良浩一 歴史の真実を求める世界連合会代表
  細谷清  近現代史研究家

参加費:無料

事前申し込み:不要

大阪で開く初の会合です。皆様のご参加をお待ちしております。

*創設二周年記念 活動報告会のフライヤーは下記のリンクからダウンロード出来ます。
『歴史の真実を求める世界連合会』 GAHT 創設二周年記念 活動報告会 in 大阪 フライヤーPDF

会場地図

全米日系人博物館館長宛てへ抗議のメール!

32nd Los Angeles Asian Pacific Film Festivalの一環として、4月27日リトル東京の全米日系人博物館に付随する、Tateuchi Democracy Forum にて以下の映画が上映されました。

“Silence Broken: Korean Comfort Women” 

DAI SIL KIM監督

http://laapff.festpro.com/films/detail/silence_broken_korean_comfort_women_2016

上映会場(198名収容)には、2013年のグレンデール市慰安婦像設置賛成派の韓国系、日系グループを中心に50名程が参加。

上映後のDAI SIL KIM監督

90分上映の前半は元慰安婦へのインタビュー証言に合わせ、当時の日本軍、東京裁判等の写真、動画を映し出し、後半はその話を基にドラマ化したものですが、日本兵らしき兵隊から銃剣を突き付けられ、トラックに押し込まれたり…

とても見るに堪えない内容となっています。

非常に残念ですが、今回はリトル東京を代表する全米日系人博物館にてこのような映画が上映されてしまいました。

現在全米で進められている慰安婦問題に鑑み、博物館館長宛て目良代表から抗議のメールを送りました。
(抗議のメールは、下記の添付PDFファイルでご覧ください。)

抗議メールPDF

【緊急集会】慰安婦問題「日韓合意」と日本の前途

来る2月10日に『慰安婦問題「日韓合意」と日本の前途』と題して、緊急集会を開催いたします。
皆様、是非ご参加ください。


緊急集会

PDFファイルダウンロード:「日韓合意」緊急集会案内

【緊急集会】

慰安婦問題「日韓合意」と日本の前途

昨年の暮れ、慰安婦問題の「解決」のために突然になされた「日韓合意」。これは日韓両国のみならず、世界各国で大きなニュースとして取り上げられた。果たしてこの合意によって、慰安婦問題は本当に解決に向かうのか。国際社会はどう捉えているのか。「日韓合意」を徹底検証し、今後の日本がとるべき方針を緊急提言する。

日時:平成28年2月10日(水)13時開会(12時30分受付開始)

会場:参議院議員会館 1階講堂(東京メトロ永田町駅より徒歩3分、国会議事堂駅より徒歩8分、溜池山王駅より12分)

パネリスト:
西村幸祐(批評家・ジャーナリスト)
藤井厳喜(国際問題アナリスト)
藤岡信勝(拓殖大学客員教授)
松木國俊(朝鮮問題研究家)
目良浩一(GAHT代表)他
(ほか調整中・敬称略)

参加費:無料(事前申込不要)

*ご参加の方は、参議院議員会館の受付付近で集会スタッフが通行証をお渡しいたしますので、そちらまでお越し下さい。

<主催>
慰安婦の真実国民運動(代表:加瀬英明)
東京都文京区水道2-6-3-203 新しい歴史教科書をつくる会内
(電話)03-6912-0047
(FAX)03-6912-0048
(メール)ianfu-shinjitu@tsukurukai.com

日系新聞『The Rafu Shimpo』に英文記事掲載

ロサンゼルスの日系新聞『The Rafu Shimpo』に、2015年12月の日韓合意について:GAHTの見解が英文で掲載されました。

『The Rafu Shimpo』掲載ページはこちらから:http://www.rafu.com/2016/01/gaht-comfort-women-agreement-resolves-nothing/

以下、全文掲載:
GAHT: ‘COMFORT WOMEN’ AGREEMENT RESOLVES NOTHING

On Dec. 28, the foreign ministers of Japan and South Korea announced at a joint press conference that the two countries had reached a “historic” and “final” agreement on the “comfort women” problem. But what has been resolved by this agreement, and what issues remain? Our position is that nothing has been resolved.

Contrary to Foreign Minister Fumio Kishida’s proud statement about a final solution, the fact is that the South Korean side has not promised to do anything. The South Korean foreign minister, while watching progress on the Japanese side, stated that his country will strive for a number of things. On the other hand, Mr. Kishida declared a final agreement without imposing any conditions on South Korea. In terms of diplomatic ability, South Korea, remarkably, is superior. Japan has stated that it will contribute nearly a billion yen for former comfort women, while South Korea has not even mentioned making a contribution.

Moreover, this declaration was made at the press conference but has not been put into writing. There is a danger that the agreement will not be honored by the next administration.

First of all, the comfort women problem is an issue in which the South Korean side has been closing in on Japan. For Japan, the problem was resolved by the 1965 peace treaty with South Korea. For South Korea, the deterioration of bilateral relations has caused economic damage — fewer tourists from Japan, less investment, fewer imports, and so on. Even though the U.S. was calling on Japan to solve the problem, Japan was in a situation where it was not necessary to seek a solution. There was no need for our foreign minister to take the trouble to visit Seoul, and there was no need to acknowledge the many demands from South Korea.
However, the Japanese side made numerous blunders. First of all, the Japanese government, without legal basis, acknowledged involvement with comfort women during the war and expressed regret. Then, from a humanitarian standpoint, it announced that it was going to establish a fund for the women. These actions were completely unnecessary. We already have the Kono Statement, and sponsoring a fund constitutes proof that Japan has committed a crime. Thus, in the matter of the comfort women, the Japanese government becomes unable to claim innocence. For private citizens’ groups that claim comfort women were not sex slaves, it becomes an increasingly difficult road to travel.

To make matters worse, the South Korean side has not made any meaningful pledges. Although the government is saying that it will no longer bring up the issue, so far all of the actions related to comfort women have been initiated by organizations outside the government. The comfort woman statue outside the Japanese Embassy in Seoul was created by Teitaikyo (Korean Council for the Women Drafted for Military Sexual Slavery by Japan) and the one in Glendale was also built by a private organization, KAFC (Korean American Forum of California). The South Korean government has stated that it will make an effort to have those statues taken down, probably by writing a letter. However, the recipients of the letter have already it clear that they will ignore the request.

South Korea has said that it will not criticize Japan at the U.N. and other international forums, but it remains to be seen whether the designation of UNESCO world heritage sites related to the war will turn into criticism of Japan. Japan was in an advantageous position but surrendered all of its advantages, taken in by skillful South Korean diplomacy. Foreign Minister Kishida’s declaration will remain as a significant stain on the history of Japanese diplomacy.

「従軍慰安婦」問題は終わらない -WiLL 2015年12月号-

朝日新聞が慰安婦問題の誤報を認めたことで、国内的には「慰安婦問題には決着がついた」かのような空気がありますが、私の住むアメリカでは一切、そのような実感はありません。
むしろ慰安婦問題をめぐる歴史戦、情報戦はその激しさの度合いを増しています。

*昨年12月号の「Will」誌に掲載された目良代表の記事をご覧ください。
全ページをPDFでダウンロードする:Will 12月号(下記画像をクリックしてもご覧になれます)

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新年のご挨拶

GAHT から、新年のご挨拶

皆さん、明けましておめでとうございます。                    
ご健勝で新しい年をお迎えになったことと存じます。

GAHT一同、張り切って新年を迎えました。

今年は多くの課題が待ち受けています。我々の裁判について、春に連邦裁判所における控訴審が始まります。そして、秋には州の裁判所での控訴審が開かれる予定です。これらにおいて、成功するべく最善を尽くします。

旧年中には、ブラジル、サンパウロにも支援団体ができ、日系人の多くの団体が集まり支援をしてくれる事になりました。嬉しいことです。

そのほかに、カリフォルニア州の教育委員会に対する、世界史の教科書内容についての修正提案を1月から始めます。国連人権委員会に対する日本の状況についてのコメント提出は間もなく完了します。更に3月は、国連の女性の地位向上委員会へのイベントをニューヨークで開催します。サンフランシスコ市の慰安婦記念碑については、決定されたことですが、何らかの影響力を与える方法を模索しています。昨年末になされた日韓合意については、成果は期待していませんが、状況を注視します。

目良は個人的に、『マッカーサーの呪いから目覚めよ日本人!』を基にした英語の図書の出版を計画しています。

では皆さん今年もよろしくお願いいたします。  
共に協力して、より良き未来を切り開きましょう。

歴史の真実を求める世界連合会  
代表 目良浩一
会員 一同 

2015年12月の日韓合意について

2015年12月の日韓合意について:GAHTの見解

2015年12月28日

年末の12月28日に、日韓の外務大臣がソウルで共同記者会見を行い、二国が慰安婦問題について、「歴史的な」「最終的な」合意に達したと伝えた。問題はこの合意で、何が解決し、何が残されたであろうか。我々の見解は、「何も解決されなかった」とする立場である。

岸田外務大臣の誇らしげな、最終的な解決声明とは裏腹に、韓国側は、実質的に何も約束していないのである。韓国の外務大臣は、日本側の進捗を見守りながら、我々はいくつかのことについて努力すると声明した。いっぽうで、岸田氏は、そのような条件を全く付けずに、最終的に解決したと宣言したのである。外交上の手腕は、格段に韓国の方が上である。日本は、ほぼ10億円を拠出すると言明した。韓国は、拠出に言及すらしていない。しかもこの合意は、記者会見での声明だけで、文書化されていない。次期の政権には伝達されない危険性がある。

そもそも慰安婦問題は、韓国側が日本に迫ってきた問題である。日本側は、この問題は、1965年の日韓基本条約によってすべて解決済みであるとしてきた。韓国側は、日韓の関係の悪化により、経済的な被害を受けてきた。日本からの旅行者の減少、投資の減少、輸入の減少などである。たとえ、米国政府からの要請があったとしても、日本の方から解決を要請する必要はない状況であった。外務大臣がわざわざソウルを訪れる必要はなく、そして、韓国からのもろもろの要請を承認する必要はなかったのである。

しかしながら、日本側は、数多い失策をしてしまった。まず日本政府は、法的ではないが、終戦までの時期の慰安婦への関与を認め、謝意を表明した。そして人道的な立場からとは言え、政府の資金を提供することを言明した。これらは、全く不必要なことである。既に、河野談話があり、ましてや資金の提供は、罪を犯したことの証明になるのである。これで慰安婦について、日本政府は潔白を主張できなくなるのである。民間団体で行っている「慰安婦は性奴隷ではなかった」とする主張は、ますます困難な道のりを歩まなくてはならない。

更に悪いことは、韓国側から、何の意味のある誓約もとっていないのである。政府としてこの問題を蒸し返さないとは言っているのであるが、今までに行われた慰安婦に関する問題は、すべて政府外の団体によって起こされたのである。ソウルの日本大使館前の慰安婦像は挺対協によってなされた物で、グレンデールの慰安婦像も民間団体と称するKAFCによって、建立された。韓国政府は、それらの団体に対して、撤去するように努力をすると言明しているので、恐らく一枚の手紙ぐらいは書くであろう。しかし受領者は、既に言明しているように、それを無視することは明らかである。「国連等において日本を非難しない」とは言明しているが、ユネスコ記憶遺産に登録することが、非難になるかどうかは、明確にされてない。

即ち、日本は、有利な立場にありながら、有利な点をすべて放棄して、韓国の外交手腕に弄されたのである。この合意は、岸田外相の宣言に反して、日本外交史における顕著な汚点として残るであろう。

ブラジル日系協会、他諸団体がGAHT支援のチャリティー昼食会を開催

アメリカで慰安婦像撤去運動を行う、「歴史の真実を求める世界連合会」の目良浩一代表を支援するためのチャリティー昼食会が12月5日、聖市の在伯退役軍人協会で行われ、70人が参加した。ブラジル日本会議、日本研究者協会、ブラジル日系協会、パンアメリカンブラジル日系人協会の共催。

集まった支援者一同で記念写真
集まった支援者一同で記念写真

目良さん支援会に70人=「これからも続けたい」

詳しい記事は、『Jornal ニッケイ新聞』のウェブをご覧ください。
LINK: http://www.nikkeyshimbun.jp/2015/151215-61colonia.html

12月15日号のニッケイ新聞の掲載記事も合わせてご覧ください。
PDFファイルダウンロード:支援会12-15-15
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寄付金状況のご報告

皆様には、日頃より私共の活動にご理解とご協力をいただき、誠に有り難うございます。

簡単ではございますが、現在の寄付金状況のご報告をさせていただきます。

皆様方の温かいご支援に厚く御礼申し上げます。

今後とも皆様のお力添えのほど、よろしくお願い申し上げます。

GAHT-US CORP 事務局

Donations-thru-October-2015

サンフランシスコ市の慰安婦記念碑設置問題についての報告

サンフランシスコ市の慰安婦記念碑設置問題についての報告

2015年10月20日

歴史の真実を求める世界連合会 (GAHT) 代表 目良浩一

1.慰安婦碑設置決議の最初の提案

サンフランシスコ市が今年の7月21日に市議会で、慰安婦の記念碑を建てることを推進する(Urging the Establishment of a Memorial for “Comfort Women”)提案がなされるという情報を知ったのは、恐らくその一週間くらい前、同市に住む日本人からの連絡があり、助力を依頼された時からであった。ロスアンジェルス在住の同志に声をかけて、反対声明をするために市議会に出席することを提案した。反対する理由は、いつもと同じである。韓国や中国が主張する慰安婦説は、歴史の真実を伝えていないことが最初で、この記念碑は、日本の軍隊が残酷で、非人道的であるという印象を人々に与えるので、日本国および日本人の名誉を不当に傷つけるからである。しかも、多人種が協調して住まなければいけない米国の社会において、特定の人種を名指して非難することは、地域内の住民間の融合を妨げるので、当然なされるべきことではないと考えるのである。

この時点で知りえたことは、この提案は、総勢11人の市議会議員のうちの8人が、提案者になっていたことであり、この提案は、委員会での審議なしに本会議に提出されるので、全員一致の賛成を得なければ、採択されないということであった。提案者は、中国系のエリック・マー議員で、他の中国系の議員一人と韓国系議員二人が提案者に含まれていた。ここで注目すべきことは、提案者が韓国系ではなく、中国系であることである。サンフランシスコは、中国系の人口構成比率が2割程度と高く、彼らが、市議会で強い影響力を持っているようである。

2.我々の対応

同志に働きかけた結果、6人がロスアンジェルスから出かけていくことになった。午後2時に会議が始まるので、その前に、情報を提供してくれた方と市庁舎内で会い、他の反対声明予定者とも言葉を交わした。会議場内に入ると、聴衆はそれほど多くはなく、40人程度であった。他の議案があったので、慰安婦記念碑についての意見の発表は4時ころからになった。一人3分の時間が与えられて、希望者34人が発言した。市の事務局によるとこの件についての賛成者が15人で、反対意見を述べたのが、9人であった。他の発言者は別件につて陳述した。

ここで、提案者は、戦略を変えてきた。議員全体の賛成票は取れないと考えて、その場での採決を諦めて、委員会に審議を託し、そこで採決されたのちに、本会議に提出して、多数決で採択するという方針である。そこで、選ばれたのが、エリック・マー氏が議長を行っている「公共の安全と近隣サービス(Public Safety and Neighborhood Services)」委員会であった。この委員会は他に二人の議員が構成員となっているが、その3人は皆、8人の提案者に入っている議員であった。

3.9月17日の委員会決議

この7月の経験からして、提案者側は、慎重に準備をし始めたようである。8月は市議会は休暇のようで、「環境と近隣委員会」の開催は、9月であるという情報が流れてきた。更に、提案者側は、著名な元慰安婦、イ・ヨンス、を韓国から招いて証言させるという情報も流れてきた。一方、日本側は、サンフランシスコの姉妹都市である大阪市の市長、橋下徹、が反対の意思を表明した公開書簡を発信することが伝えられた。我々も、反対の意見を市議会に提出した。なでしこアクションも、日本の方々に、反対意見を送るように伝え、多数の反対意見や多くの方の署名が送られた。17日までに市に提出された反対署名は4411名に達した。

9月17日の数日前には、市議会事務所から当日の会議資料が一般公開された。各種の人々から送られてきた書類は、460ページ程になっていた。その中には、橋下徹大阪市長の書簡も、小山エミ氏の反対者に対する中傷文書も、私が送った慰安婦問題の国際政治的な意味合いを述べた文書も含まれていた。一方、市議会議員の見解は、ある筋によると7月の反対意見や、橋下氏の書簡などで、8人の提案者の一部が、迷っているとの情報も出てきた。しかし、決議を通すには6名の議員の賛成があれば充分である。決議を阻止するためには、3名の議員を翻意させなくてはならない。しかも、提案者以外の議員がすべて反対票を投じると仮定してのことである。その頃には、色々な情報が飛び交った。「歴史問題を出すべきではない。コミュニティーの分断を問題とすべきである。」、「ある議員が態度を検討中である。ある種の情報を流すべきである」などある。しかし、どの情報もその情報源を確定することが出来ない。17日寸前には、この件について詳細に報道してきた地元紙のサンフランシスコ・エグザミナーが、11人の議員のうち7名が提案を支持していると報道した。承認は確実だと考えられる。 
  
そこで、私のとった作戦は、提案者側にとって、最大の打撃を与えることにした。すなわち、その日の主要な発言者であるイ・ヨンスの発言の信憑性を疑うことである。既に彼女の発言に関しては、学術書に詳細に分析されている。その一つが、サンフランシスコ州立大学の人類学教授、C. サラ・ソー氏の慰安婦(The Comfort Women)と称する著書である。そこには、少女イ・ヨンスは、自ら進んで魅力的と思われる職を斡旋している者のところに行ったと書いてあるのである(p.98)。この点を公聴会で指摘することによって、この決議においては、成功しないかもしれないが、多くの人に現在の慰安婦問題がいかに歴史的な事実に違反している運動であるかを知らせることができると考えたのである。すなわち、長期的な視点からの戦略である。

当日、市庁舎に行き、議場に入った。本会議が行われたのと同じ部屋である。約二か月の準備期間があったのでかなりのサンフランシスコに住む日本人の参加が見られた。日本人女性でアメリカ人と結婚した人の中には、夫同伴で来て、御主人も反対意見を述べると述べている人もかなりいた。しかし、反対の声明をすると言っていた日本人の中には、「ことを荒立てないようにしてください。」という人もいた。一方、提案者側は、ユニフォームを用意していた。黒地に黄色で大きな蝶の図案を入れたTシャツを着用していた。聴衆の数は7月の時よりもかなり多い。出入りがあるので正確な数はつかみにくいが、100人程度であった。
午後2時に議事は開始された。議長のマー氏が長々と提案理由を述べ始めた。彼は、提案者であるから、議長をするべきではないのに、それには構わずに、長々と演説をする。中国系、韓国系に加えて、日系もこの提案に賛同しているという趣旨である。そこで気づいたことは、サンフランシスコにおける慰安婦碑設置の動きは、ロス近郊のグレンデール市における慰安婦像設置運動の延長であったことである。そこで主役であったKAFC のフィリス・キムがイ・ヨンスの介護役兼通訳として動き回り、グレンデールでも賛成演説をした日系のキャシー・マサオカも、主要な役割を与えられていた。

マー氏の趣旨説明の後に、元判事であったジュリー・タングが強烈に日本を批判し、元慰安婦のイ・ヨンスの発表があった。各自2分が与えられた時間であるはずであるのに、彼女は通訳つきではあるが、8分以上話した。勿論、慰安婦として苦痛を耐えてきたので、それを記念して慰安婦碑を建てることは、世界の平和に貢献することになるとの趣旨である。彼女の発言が終わると拍手喝采があった。イ氏は、それに対して頭の上に蝶の形を作って答礼をした。このような議事においては、拍手は禁じられるべきであるが、議長は何らの制止もしなかった。其れから、議長は中国系の人を数人招いて、賛成意見を述べさせた。

その後に、一般の人たちが意見を述べた。意見表明希望者は、前もってカードに記入して提出しておいたのであるが、マー議長が慎重に順番を決めながら、発表者の名前を呼んだ。10人目位に抗日世界連合会の執行副総裁のイグナシウス・ディンが発言した。彼は、安倍総理が4月にボストンを訪れた時に、「日本が戦時中に人身売買をしたことを認めた」と発言し、したがって、慰安婦碑を建てる事は、正当であると主張した。安倍総理としては、彼の発言は、日本国がしたとは言っていない。一般論として、人身売買があったことには、心が痛むと発言したのであると主張したのであろうが、一国の総理がそのような発言をした場合には、誰も一般論とは取らずに、日本国が犯したと解釈するのである。総理の発言を、彼は巧みに利用したのである。

それから数人後に、今村照美氏が発言した。地域社会の調和を阻害するような記念碑は建てるべきではなく、日本と韓国との間の紛争をこのアメリカの都市に持ち込む理由は全くないという趣旨の強烈な発言で、拍手がわいてきたが、議長は素早くそれを制止した。次が私の番であった。まず私は、通常言われている慰安婦の説が虚偽であることを述べた。すなわち、20万人は虚偽、強制連行は虚偽、性奴隷は虚偽と述べ、その一つとして、「今日ここで発言された元慰安婦の方は、以前の陳述では異なったことを述べています。」として、サラ・ソー教授の著書の中にある部分をわかりやすい形で引用した。マー議長は、「貴方は彼女がウソをついていると言っているのか」と私の発言を中断して、尋ねてきた。私は、「続けさせてください。」と答えた。マー氏は、「イ氏は、そんなことは言っていない。」と私の発言内容に介入してきた。私は「私は、彼女の発言を繰り返すつもりはありません。私は、この図書に書かれていることを述べているのです。この本を読んで下さい。」と答えて、引用を完了した。聴衆からは抑えられたブーイングと拍手が交錯した。その直後に、私の陳述の翻訳をフィリス・キムから聞いたイ氏が怒りの声を上げた。意味は解らないが、明らかに私を罵倒している言葉であった。議長のマー氏はそれを制止することはなかった。その後、二人の人が、サラ・ソー教授の本に記述されているイ氏の陳述と彼女のその日の陳述の相違について指摘をした。

3時間半くらいに亘る一般市民の発言のうち、46人が賛成意見を述べ、27人が反対意見を述べたと市の公式記録に書かれている。賛成意見を述べた人の多くは、蝶の模様のTシャツを着用した人で、前述のディン氏もそれを着用していた。賛成者の中には、日本名を名乗る日系人も含まれていて、中韓日の共同戦線を印象付けた。賛成の理由は、慰安婦は非人道的な扱いを受けた人たちで、これらの人を記念する碑を作ることによって、将来そのようなことが繰り返されないようになるとするもので、平和のための記念碑であると唱えていた。反対者の意見は、記念碑で日本だけを非難するのは不当であるとするものや、日本を非難することによって、コミュニティーを分断するのは好ましくないとするものから、いわゆる慰安婦説は虚偽であるとするものなど、いくつかの種類があった。

一般の聴衆からの発言を終わらせてから、議員が発言することになった時に、カンポス議員が行った発言は民主的な議事運営に反する極めて無礼な行為であった。彼は、イ氏の発言に対して疑問をはさんだ人たちに対して、怒りの声を上げた。「真実を否定する人は、恥を知れ」と四回叫んだのである。ここで「真実」とは、彼の信じる「真実」で、サラ・ソー教授が記述していることは、真実とは解されていないのである。公聴会とは、外部の人の意見を聞くための会合であり、たまたま、外部の者が彼に好ましくない意見を述べたと言って、発言者を「恥を知れ」と罵倒するのは、議会制民主主義のもとに行われる議事進行の原則に明らかに反する行為である。議長は、直ちにそれを制止して、彼を場外に退出させるべきであったが、カンポス議員は、マー議長を支援したのであるから、議長は制止もせずに、話したいだけ話させた。話した後に、カンポス議員は、イ氏がいるところまで歩いていき、抱擁して、頬にキスをして、「非難されてかわいそうである」と述べたのである。

その後に、投票があり、3人の議員は、提案に賛成の意思表示をし、可決された。

しかし、この日の会議について言えることは、以下のことである。

1)中韓側は、この日のために相当の準備をしていた。イ・ヨンスを韓国から招き、黒字に黄色の蝶の図案が入った制服を調達し、発表について相当の準備をし、支持を表明する人のそれぞれに何について話すべきかを用意し、英語が話せなくとも賛成意見を述べる人を多数用意していた。

2)議事の進行は明らかに、支持者に有利なように行われた。議長は、支持者には時間の制約を寛大にし、反対者には極めて厳しく制約を実施した。賛成者に対する拍手などは大目に見て、反対者に対するときには、厳しく制限した。しかも、反対者に対しては、私の場合の様に、発言を途中で制止することもあった。上に述べたように、議長は、イ氏の罵倒も制止せず、カンポス議員の異常な言動にも何の制止も行わなかった。

3)在サンフランシスコ日本総領事館からは、誰も会議に出席していなかった。領事館から情報提供のために出席を依頼されて出てきた人もなかった様である。この件については、同市に駐在している日本の通信社の人に確認している。

4.9月22日の本会議決議

委員会で承認されたこの決議案は、翌週22日の本会議に提出された。本会議では、かなりの反対意見が17日の公聴会で出されたことに鑑み、修正案が三回提出された。最初の二回の修正案は、原提案が専ら70年以上前の日本軍の悪行だけを責めるようになっているので、片手落ちであると考えられるので、現在の社会における人身売買と関連付けて、その社会的な意義を強調するものであり、第三の修正案は、戦時中の女性の人権の蹂躙は他の国においても行われていたことを認めるものであった。しかし、「そのことでもって、日本の犯した罪が軽減されるものではない」とする文言が付け加えられたのであるから日本に対する譴責は、依然として厳然として残ったのである。このような修正を経て、全員一致で承認された。したがって、反対派の意見によって、決議案は修正されたが、日本及び日本人の名誉を侵害する決議であることは、間違いない。

5.日本人反対運動者の感想

この慰安婦碑設置案に反対してきた人々に、22日の市の決定の後に意見を聞いてみた。次のような意見があった。

1)日本政府も日本総領事館も何の手助けもしてくれない。相手は、中国共産党を背後に持つ抗日世界連合会である。とても、個人個人の反対では、なんともしようの無い大きな力である。日本政府が出てきて来れば、何とか勝負になるかもしれないが、それがなければ、なんともならない。これ以上運動することは、無駄であると感じる。

2)サンフランシスコ市は、中国系の人口が多く、日本人は極めて少数である。しかも、この町は中国やメキシコのギャングが根を張っている。彼らは、法を無視して、悪事を働く。彼らは、金で動くので、中国系の組織に狙われたら、身に危険が迫る。殺人請負などは、通常のビジネスなので、これ以上に中国系の組織に反発することは、控えたい。

3)9月17日の公聴会で、カンポス議員やマー議員に罵られたことに、激しい怒りを感じている。他の人たちと一緒に、カンポス議員に謝罪を要求する手紙を書いたが、彼は返事を書いてよこして、謝罪する気は毛頭ないと言ってきた。何とかして、彼らに仕返しをしたいと考えている。しかし、具体的な方法が分からない。何とか研究して、彼らに謝罪させたい。

GAHT が依頼している弁護士によると、委員会におけるマー議員やカンポス議員の行動は、市の設定した議会の規則に抵触する可能性が高く、早急に裁判所に訴えれば、裁判所が17日の決定を暫定的に保留する可能性がある。そうなれば、反対派の勢力が元気づいて、最終決定に大きな影響を与える事が可能になるかもしれないと述べている。しかし、そのためには、サンフランシスコ在住の人が原告になる必要がある。しかし、日本政府が及び腰であることと、市民が法によって守られていない現在の状態の下では、原告になる者が出てくるとは思われない。泣き寝入りになる可能性が高い。

6.サンフランシスコ日本総領事館の対応と報告

私は9月末から10月初旬にかけて東京に講演するために行った。そこで、色々な方と意見を交換するうちに、以下のような情報を得た。在サンフランシスコ日本総領事館は、市議会で慰安婦碑を設置する案が認められた件について、以下のような説明を政府乃至自民党幹部に伝えた模様である。

「この件については総領事館としては、各種の人々に呼びかけをして、市議会で五分五分の線までもっていったのですが、公聴会で目良浩一氏を始め在米日本人が元慰安婦を個人攻撃するような発言をしたので、議員たちの心証を害してしまい、議員全員が賛成の方に回り、議案が承認されることになりました。」

この発言は、本当であったとしたら重大である。失敗は、在米日本人のせいであるとして、総領事館がその時までに作り上げてきた議案阻止の努力を台無しにしてしまったというのである。ここには、数多くの欺瞞がある。本当に議会が開かれた時には、五分五分の状況であったのか。本当に、総領事館の努力で、五分五分の状況にまでもっていったのであるか。もしも、在米邦人が、おとなしく地域社会の融和を強調していたら、議案は、否決されていたのか。そして、一番の問題点は、此の解説は自らの失敗を隠蔽するための隠れ蓑ではないかということである。自らの失敗を隠すために、在米邦人の言動を責めるのである。もしこのような報告がされたとすれば、在米邦人は、味方の銃弾に打たれたのである。現場の知識の無い人は、この説明に納得するかもしれない。総領事館は、誰も現場に人を送っていないのである。現場にいた我々は、この議事はすべて厳密に計画された儀式であったと感じている。50人余の蝶の模様の入ったTシャツを着た人々。すべて計画通りに、意見を表明した提案の支持者たち、計画通りに支持者に優しく運んだ議事進行。カンポス議員の熱狂的な提案への支持。どれをとっても、あの議会は、出来上がっていた議事であったと思わざるを得ない。それにもかかわらず、そのような、自己正当化の説明をするのは、真実に反するのみならず、日本の名誉を自らの努力によって、守ろうとする愛国者を無残にも射殺する売国奴なのである。

そこで10月16日に、サンフランシスコに行ったおり在サンフランシスコ日本総領事館を訪れて、市岡晃領事と早川瑞穂領事に会見をした。午前10時20分から11時5分の約45分であった。慰安婦問題は主に早川領事の管轄と見えて、質問に答えたのは、ほとんど早川領事であった。最初の質問は、この慰安婦碑案が市議会に出てきたことに対して、どんな対策を実施しましたかと尋ねたところ、「色々な方と話し合いました」との答えで、どんな方々ですかと尋ねると、「具体的にどなたであるというようなことは、申し上げられません」との回答である。では、どのようにして、議案の承認を防止しようとなさったのですかと尋ねると、「具体的なことは、申し上げられません」と全く防衛線が堅い。

そこで、肝心のことを尋ねる。「東京で数日前に聞いたのですが、総領事館は、この件について各種の努力をして、五分五分の線まで持って行ったのですが、在米日本人が、イ・ヨンス氏の個人攻撃をしたので、議員たちの心証を害した。よってそれまで迷っていた議員も賛成票を投じることになった、というように在サンフランシスコ日本総領事館は自民党の稲田朋美政調会長に報告した、とある筋から聞きましたが、本当でしょうか。」と尋ねたところ、早川領事は、「ニューアンスが違って伝わっています。」との回答を得た。それではどのようなご報告をなされたのですかと尋ねると、「内容については申し上げられません。」との回答である。「でも何らかのご報告をされたのですね。」と更に尋ねると、「その質問に関しては、否定も肯定も致しません。」 との答えが返ってきた。そこで、私は、「では、そのような報告をされたことを否定しないのですね」と念を押した。早川領事は、それに対しても同じ答えをした、「その質問に関しては、否定も肯定も致しません。」そこで、私は、早川領事に、ではこの件に関しては、早川領事は「否定しなかった。」と外部に伝えますと申し上げた。
           
7.今後の運動への教訓

この慰安婦碑設置の問題は、いくつかの大きな意味合いを持っている。

1)第一に、この記念碑運動は、中国系が主導する米国で初めての運動で、今までのような韓国系と異なり、大きな力が背後にあることが実感される。具体的には、中国共産党の直接的な支援があると感じられるので、個々人が対応できる問題ではないと思われる。

2)サンフランシスコにおけるこの運動は、中国が米国に進出する足場を作る最初の手がかりであると思われる。ここで成功すれば、次には、米国内の他の大都市にも進出する。米国連邦政府は、この危険性について未だに認識が無いように思える。

3)日本政府は、在外公館から来る情報を丸々信用しては、ならない。あらゆる情報を総合して、状況を判断すべきである。在外公館は、現場に出ていないし、身勝手な情報しか発信しない。

4)日本政府は、慰安婦問題がすでに外交問題・国際問題になってしまっていることを率直に認めて、対処の方針を決める必要がある。これは単に韓国との問題ではなく、中国も絡んだ重大な問題である。ユネスコにおいても、中韓の共同提案で慰安婦の記憶遺産提案がされるであろうと想定されるから、早急に対策を練る必要がある。対処策を取らないということは、現在の慰安婦の問題の様に、彼らのなすがままになることで、そうすれば、日本は野蛮な、残忍な国で、日本の国の子孫代々が、不当な濡れ衣によって悩まされることになる。また、友好的な関係を維持してきた米国との関係も悪化せざるを得ない。

5)安倍政権は、外交においては、日本としては、珍しく、多数の国々と緊密な関係を作り、成功していると言えるが、中韓との関係に関しては、それなりの努力をしていない。緊急に、具体策を構築して、対応していくことが課題である。

8.結論

アメリカに滞在している日本人の中には、日本人の名誉を保つために、かなりの努力をして中国や韓国系の人々による慰安婦記念碑の設置運動に抵抗しているが、最近では、中国系の大きな組織が表に出てきて、大都市においてこの運動を展開しようとしている。このような運動を、個々の在米日本人が阻止するのは極めて困難である。ことは、20世紀及び今後の日本人の名誉にかかわることであるので、日本政府が今までのような傍観的な態度を改めて、積極的な対抗策を展開していくことが必要不可欠である。この問題は、既に明らかに外交問題になっているので、率直にその重要性を認めて、外交問題として対処すべきである。

上記詳細はPDFでダウンロード出来るようにしています。
10-20-15_SFO総括報告.pdf